【社員紹介】鷺山 昌多「ディープテック起業に踏み出す人に、橋を架ける」

こんにちは、Beyond Next Venturesの鷺山(さぎやま)です。私はベンチャーキャピタルでは珍しく、人材開発をメインに担当しています。私のミッションは「ディープテックの事業に挑戦する経営者を増やすこと」です。

今回は、これからご一緒するかもしれない未来の経営者の方に向けて、私の自己紹介と、ディープテック領域での経営の魅力についてお伝えしたいと思います。

プロフィール

鷺山 昌多Executive Officer / Ecosystem Gr.
Human Resource Development Team

中央大学商学部卒、2017年に当社に参画。前職の転職エージェント時代から足掛け9年あまり研究界隈の経営人材問題に従事。現在は、研究系スタートアップの共同創業者・CXOを目指す方の発掘や育成を担当。プログラムを通じた過去の育成人数はのべ400名超、数多くの初期経営メンバーを生み出している。CDA(Career Development Advisor)、キャリアコンサルタント(国家資格)

文系の私が受けた、ディープテックの衝撃

文系出身で研究やディープテックとは全く無縁だった私に、突然転機が訪れたのは、前職の転職エージェントでヘッドハンターをしていた頃のことです。バイオベンチャーで働く知り合いから経営メンバー探しの相談を受けたんです。

彼から会社説明を受ける中で、「5年後に治療不可能だった病気が治せるようになる」という、半ばSFのような未来を目の当たりにし、「ここ(ディープテック)に未来がある!」と素直に感動しました。

同時に、「こんなにスゴイ技術が、多くの人にとっては全く知らないなんてもったいない…」とも感じました。このお手伝いがきっかけで、大学発スタートアップの世界にのめり込み、気がつけば大学発スタートアップの経営チームをつくる専門チームを社内で立ち上げていました。

「とにかく人が見つからない」という壁

自分が打ち込みたいことを見つけた!」そんなワクワクした気持ちで、創業間もない大学発ベンチャーの経営者候補をドンドンと請け負いましたが、これが予想以上に難儀な作業でした。。

それもそのはず、今まで世の中にない新しい領域は経験者がいない。だから同領域の経験者の完全横滑りの登用は難しい。では、1歩隣の大手企業、2歩となりの異領域のスタートアップ経営者をお誘いして…と考えると、事業や取り組む内容とのギャップに戸惑う方も多い。

もっと言うと、初期経営には当然リスクもあるし、資金も限られるため待遇も下がる。それでも「これ、挑戦する価値があるよね、素晴らしい機会だよ」と言ってくれる方を探す活動は、まさに「母をたずねて三千里」のような長い探索の旅の連続でした。

同時に、一人、一人と、本人が目を輝かせて挑戦できる、「初めての経営」かつ「心躍る全くの未踏領域での挑戦」のドアを開けてあげられる充実感はかけがえのないものでした。

そんな傍ら、研究界隈は更に大きな波が動き出していました。2010年代前半から動き出していた、官民イノベーションプログラムが動き出し、大学の子会社VCの設立を皮きりに、更に多くの大学発ベンチャーが更に生まれる機運が高まります。

これによって「事業の担い手」の需要が更に加熱するのは確実。 特に創業経営者問題であるほど、「エージェントの立場だけでは解決できない」という気持ちと、焦燥感を持ち始めたころに、次の転機が訪れました。 当社の代表伊藤からビヨンドに誘われたことです。

「VCで自らやればいい」 代表伊藤との出会い

伊藤は、ビヨンド設立前から接点があり、見ているところが違うというか一言で言えば異質さを持っていました。ビヨンド創業初期のある日、近況を聞きにお茶をしに行った時に、「1号ファンドは手堅く最小限で勝つための活動をするよ」という話をするのかと思ったら、「この領域が社会で一番注目されるようになる。今から経験ではなく一番伸びしろがある優秀な人を惹きこんで、その創業から自分たちで…」「経営人材発掘・育成の専門人材を社内に抱えて」と、話を聞けば聞くほど未来志向で、1号ファンドでは完結しようがない構想を真顔で話していたことに、ただただ感心したのを憶えています。

そして、とある夏の終わりころ、伊藤から電話で「一緒にやらない?」と告げられ、5人目の社員として参画しました。

失敗に終わった、研究者と社長希望者の人材マッチング

念願だった大学発ベンチャーの「担い手」を増やす仕組みづくり。当時のビヨンドは、研究者の起業を支援するアクセラ「BRAVE」の立ち上げ期でもありました。この有望なシーズを有する研究者の皆さんに相方創業者・経営者を見つけることができれば、私の取り組みの一歩目は成功と言えるでしょう。

  「こんな画期的な大学研究があり、社長を探してます。経営に挑戦しませんか?」

こんなお誘いを続け、1か月半ほどで20名ほどの「社長就任希望者」が集まりました。しかし、この創業を目指す研究者と社長希望者のお見合いは、1組も生まれることなく終わりました。

「社長として転職」を希望する方にとって、現段階で、法人化や投資すら確約されていない研究シーズは転職先として見るということ自体が難しい選択肢でした。もちろん、その長い研究のプロセスや魅力も十分にわからない中での判断ですから当然でもあるでしょう。

何よりも、創業後に社長を引き受ける転職型の経営参画と、地ならしから始めて、研究者と共に共同創業者として創業することは、天と地ほど違う。このことを痛感しました。

必要だったのは、一歩手前の「経営の練習試合」

どうしたら、研究者自身ではないビジネスパーソンを創業経営に呼び込めるのか。
自分事として、創業を手掛けたいと感じてもらえるのか。

悩みぬいた末に行き着いたのは、選ぶ側に立ってもらうのではなく、「練習試合的に創業に関われる場」を提供することでした。

以前メディアでビズリーチ創業者の南さんが「(草野球ならぬ)草ベンチャー」の話をされていたことがあります。現職を続けながら、仕事帰りや週末に寄れる、でも部活動のように熱く本気で、研究者とスタートアップ起業・事業経営に自ら主体的に関わる場「INNOVATION LEADERS PROGRAM」の誕生です。

このプログラムは、おかげさまで5年間で累計400名にご参加いただき、そのうち約40名が実際に大学発ベンチャーの経営層へと巣立っていきました。まだまだ序章ではありますが、この「練習試合の場」を提供することに意義があることを実感しています。そして、研究界とビジネス界の距離も少しずつですが縮まっているように感じます。

ILP卒業後にディープテック領域の経営者になられた方々と共に

ディープテックは、未来への希望

ビヨンドに入社して間もなく6年。
私にとっては、優れた研究者との共同創業の機会を創り、橋を架ける活動は、誰かの人生を変えうる仕事であり、「最も価値がある挑戦の機会を誰かに届ける活動」と感じています。

同時に、社会を変える仕事だとも感じます。私の2歳の娘が大きくなる頃、温暖化、食料・水不足、超高齢社会と、今警鐘をならされている社会課題が目の前に迫る中で日々を過ごすことになるかもしれません。

でも、人類の英知が詰まった研究成果、そこから生まれたディープテックなら、そんな未来の道筋を変えられるかもしれない。だからこそ、ダントツ優秀で熱量のある方を見つけ、その方々にもっと研究と触れ合っていただき、願わくば、この道で経営者になるという道を歩んでほしい。そのための道筋、架け橋をつくるのです。

未来の起業家に伝えたいこと

2022年は、10X10Xを目指す経団連のスタートアップ躍進ビジョンが注目を集め、国も2027年までに全力で科学技術とスタートアップ振興に注力していくという方針を掲げた年でもあります。

現在国内ユニコーン企業のうち、バイオ素材開発のSpiberや機械学習などの研究と実用化を行うPreferred Networksなど、ディープテック領域や大学発のスタートアップが徐々にそのプレゼンスを高めています。

この領域での成功事例が増えれば、自ずと関わりたいと手を挙げる人の総数も増えてくるのは間違いない。その朝焼け位にある「今」なら、経営未経験でも自身が社会に対して思うテーマで、共感できる研究者と出会い、未来に一石を投じるチャンスが転がっているのです。

私は引き続き起業や経営に挑戦したい方ともっと出会って、ディープテックの世界に魅力を感じていただける方を増やしていきます。今すぐの創業・経営参画ではなくとも、「まずは会って話してみる」「仕事を続けながら腕試しから始める」といった関わり方もありますので、ディープテック領域での経営参画に興味があり、一歩踏み出してみたい方がいたら、ぜひ一度お話しましょう!お気軽にfbやメールまでご連絡ください。

Shota Sagiyama

Shota Sagiyama

Executive Officer / Talent Partner