皆さん、こんにちは。Beyond Next Venturesの三國です。私の仕事は、出資先スタートアップの人材採用や組織づくりなどのHR全般をお手伝いすることです。キャピタリストではありませんが、日々出資先の皆さんとHRの課題解決に向けて活動しています。
Beyond Next Venturesの最大の特徴は、採用(特にCEOや経営幹部層)に創業当初から注力してきたこと。今ではそのすそ野が広がり、マネージャークラスからスタッフ部門まで幅広く採用支援を行い、組織力を高めるための採用戦略を日々経営層の皆様と練っています。
今回は、これからご一緒するかもしれない起業家・スタートアップの皆さんに向けて、私の自己紹介をしたいと思います。
プロフィール
三國 弘樹Manager / Investment Gr.
2012年にJAC Recruitmentに入社。エグゼクティブ部門にてベンチャーキャピタルの投資先の経営幹部の採用に関わる。2020年に当社に参画し、出資先スタートアップの採用支援をはじめとする組織成長支援を担当。武蔵大学経済学部卒業。
「入り口にしか立てない」エージェント時代に感じた限界
前職ではJAC Recruitmentという転職エージェントに8年勤め、ハイクラス・ミドルクラス人材を大企業や中堅、中小企業へ紹介するという仕事をしていました。有難いことに入社3年目には部署内で営業トップに立ち、退職する前の1年半はCEOクラスのエグゼクティブを専門に紹介するチームでマネジメントを担当しました。
ただ、この「紹介」という仕事はもどかしいもので、せっかく優秀なCEO候補を探しても、紹介先の企業でうまくいかず退職してしまうケースも少なからずありました。
「企業や人の力になりたい」という想いで頑張ってきたのに、「このままでは入り口にしか立てない」というジレンマがあったのです。そこで、「もっと経営者と同じ目線で、『自分ごと化』できないか。組織運営まで関われるようになりたい」と考えるようになりました。
本当にやりたいことを実現するためVCへ
ちょうどその頃、同じくJAC出身者がVCに入り、HR支援をしていることを知りました。仕事内容を聞き、出資先に寄り添ったHR支援をしていることに興味を持ち、まさに自分がやりたいことを体現していました。
そこで、次なるキャリアとしてVCを探し始めました。元々JACでは製造業に関わっていたことから、ものづくり、それも、グローバルで戦えるポテンシャルを持った技術系スタートアップに出資するVCに参画したいと思い、Beyond Next Venturesを選びました。かつ、エグゼクティブクラスの人材紹介経験を活かすために、シード投資が中心のビヨンドは私にはぴったりの環境でした。
出資先に警戒された最初の半年
はじめにぶつかった「不信感」のカベ
しかし、入社して最初の半年は先輩のお手伝いばかりでした。たぶん出資先の人たちは、キャピタリストではない自分のことを「よく分からない人」という印象を持っていたと思います。でもそれは無理もないこと。一般的にVCはCxOなど経営幹部職を紹介することはあっても、それ以上に関わることは珍しいからです。
でも、私はその常識を変えたいと思いました。出資先によってニーズは様々で、他者の力を必要としている先には、「人を見つけて紹介する」というスポット的な支援ではなく、「HR全体の課題解決を手伝えるようになりたい」と考えたのです。つまり、労務の相談や人事に関わる制度設計、採用戦略・採用広報まで、HRに関わることならどんなことでもニーズに応じて提供できる人になる、という意味です。
HR全般の課題と向き合い、出資先との信頼を構築
そのような思いのもと、HRに関わるご相談にはなんでも乗るようにしました。採用LPの制作や昇給/報酬などの人事制度の構築まで、自分のこれまでの経験と、時に外部に頼りながら、出資先と伴走してきました。
また、出資先を退職された方とのコミュニケーションにも気を配るようにしました。私が関わった方に限り、後日面談をして、「どうすれば長く勤めていただけたのか」「組織はどう改善するといいと思うか」などを聞き、それを可能な範囲で出資先側にフィードバックとして伝えています。これの一番の目的は出資先の組織づくりのためですが、私自身にとっても、まだ見えていなかったその組織の新たな課題を発見することもあるため、学びになっています。
おかげさまで、徐々に出資先スタートアップとの信頼関係を築くことができ、入社して3年たった今は、直接相談してもらえるような関係も増えてきました。
究極的には自分は不要。出資先の「自走力」を加速したい
VCにもジレンマはある
投資家と出資先は同じ船に乗った者同士です。そのため、はるかに当事者意識を持って向き合える存在だとも思っています。だから、スタートアップの皆さんにはもっとVCを頼ってほしいと思っています。
でも、よく周囲からは「VCは会社を思い通りにしようとしているのでは」などと疑念を抱かれがちです。私も、悪意なく本当に必要だと思って出資先に提案したことがなかなか受け入れられないこともあります。
その真意が伝わらない時は、やっぱり苦しい想いがありますが、時に気づいてくれる時まで待つという姿勢や信頼関係をさらに構築する努力も、当たり前ですが大切だと実感する日々です。
世界に羽ばたく強い組織づくりに貢献したい
究極的には自分は不要だと思っていますし、その状態がむしろ理想だとも思います。その状態を実現するために、私はこれからも出資先の組織づくりをサポートしていきます。
今後はますます優秀な人材を確保するための採用戦略や働きやすい職場づくりなどが必要になるでしょう。Beyond Next Venturesでは、出資後もHRの領域を伴走型でサポートする仕組みがあります。もしディープテック・研究開発領域での起業や資金調達を考えている起業家の方がいたら、一度我々にご相談いただけたら嬉しいです!