Beyond Next Ventures、ディープテックに特化した3号ファンドを設立。シードからグロースフェーズまでの長期かつグローバルな支援を強化

2023.10.11

Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:伊藤毅、以下「当社」)は、BNV3号ファンド(正式名称:Beyond Next Ventures3号投資事業有限責任組合)を設立いたしました。1号・2号ファンドの既存投資家である独立行政法人中小企業基盤整備機構、株式会社三菱UFJ銀行、第一生命保険株式会社、東京センチュリー株式会社に加え、新たにSMBC日興証券株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、株式会社八神製作所に参画を頂き、最終的なファンド目標額200~250億円に対して、現時点で100億円超の規模で設立を完了致しました。

ディープテック・スタートアップの創出からグローバル展開までの事業成長をより強力に支援し、世界に大きなインパクトを与えるユニコーン企業を創出していくことで、BNV3号ファンドのパフォーマンスを最大化するとともに、研究成果の商業化を後押しするエコシステムの発展に貢献してまいります。

BNV3号ファンドの特長

1. シードからグロースフェーズまでファイナンスを牽引

(引用元:World Bank & Capinet Office「Boosting Japan’s Start-up Ecosystem」P.18)

日本におけるベンチャーキャピタル投資金額は増加傾向が続いているものの、欧州や北米と比べるとグロースフェーズ(レイター期)における投資金額が極端に少ない状況となっています。シード期において資金調達が順調に進んだスタートアップが、中期から後期のフェーズに進むと十分な資金を調達できないという課題に直面するケースも多く、グロースフェーズにおける資金確保の難しさは、今後日本からさらに多くのユニコーン企業を輩出するうえでの大きな課題であると考えています。

そこで、BNV3号ファンドでは、出資先企業1社に対する最大累積投資金額を当社の既存ファンドにおける投資金額の約3倍に引き上げ、また、運用期間を従前より1年長い最大11年に設定しました(加えて有限責任組合員の同意により最大3年の延長が可能)。これにより、シードからグロースフェーズにわたって継続的に出資先企業のファイナンスをリードし、事業スピードを落とさず、速やかに各ラウンドの必要資金の調達を実現することで、出資先企業の事業成長に貢献してまいります。

2. カンパニークリエーションをより一層強化

1社あたりの最大累積投資金額を引き上げ、これまで以上に出資先企業の成長に寄与していくために、BNV3号ファンドでは、当社主導で投資対象を生み出す「カンパニークリエーション」の活動をより一層強化し、当社の事業支援リソースを集中的に提供することで、世界に伍するディープテック・ユニコーン企業の創出を起業家と共に目指します。

<当社のカンパニークリエーションについて>

大学や研究機関から生まれることの多いディープテック分野は、その優れたサイエンス・テクノロジーの商業化を推進できる人材がいまだ不足しています。そこで当社では、最適な経営チームの組成に向けて、優れたシーズを持つ研究者と当社の3,000名規模の経営人材プールから経営者をマッチングする機会を提供することで、この課題の解決に取り組んでいます。そして、特定領域の専門家や当社キャピタリストが二人三脚で伴走しながら、事業化の検証・事業計画の構築・シード期での資金調達などを行い、より革新的なスタートアップを創業する活動を推進しています。

3. インドを軸に、グローバル市場へのゲートウェイに

今後は中長期のアジアシフトを見据えて、国内出資先の海外展開支援を一層強化してまいります。特にインドにおいては、2020年1月にベンガルール市に当社子会社を設立し、現地メンバーと共にインド進出を後押しできるネットワークと事業基盤を整備してきました。さらに、国内出資先企業の海外進出を支援する専任者を配置し、既に数社において支援実績が出ております。

2022年10月にはディープテックスタートアップ8社に対して米国のVCによる直接的なメンタリングの機会を提供

4. インパクト投資

BNV3号ファンドから、全ての出資検討先企業に対してインパクト測定・マネジメントを実施し、各出資先企業が生み出す社会的インパクトの評価と、出資後の継続的な測定を行い、ディープテックへの投資を通じて財務的リターンと社会的インパクトの両立を目指します。また、ESGポリシーを策定し、責任ある投資を行い、長期的な利益創出の最大化を図ります。

BNV3号ファンドの有限責任組合員(以下 LP)


●既存投資家
・独立行政法人中小企業基盤整備機構
・株式会社三菱UFJ銀行
・第一生命保険株式会社
・東京センチュリー株式会社

●新規投資家
・SMBC日興証券株式会社
・三菱UFJ信託銀行株式会社
・株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ
・株式会社八神製作所
(2023年10月11日時点)

シードフェーズからのディープテック領域に対する当社のこれまでの投資実績を評価いただき、現時点におけるLPの約8割は、1号・2号ファンドの既存投資家による継続出資となります。引き続き、最終目標サイズである200~250億円を実現するべく、ファンド募集活動を継続して参ります。

日本のディープテック・エコシステムの発展に貢献

当社は創業当初から研究成果の社会実装を加速するエコシステムの構築に注力してきました。ディープテック領域を中心に約80社のスタートアップに投資を実行、研究成果の事業化推進プログラム「BRAVE」では52社が起業を実現、ディープテック領域の経営人材を育成する「INNOVATION LEADERS PROGRAM」からは40名以上の経営者を輩出(累計400名以上が参加)、そして、創業初期のバイオベンチャーを支援するシェア型ウェットラボ「Beyond BioLAB TOKYO」の運営等を行っています。引き続き、VCの枠を超えて、あらゆるディープテック領域の挑戦者を後押ししていきます。

これまでの投資実績

当社は、2015年に1号ファンド(約55億円)を組成、2019年には2号ファンド(165億円)を組成し、医療・ヘルスケア、アグリ・フードなどの領域における日本とインドのディープテック・スタートアップを中心に、約80社に出資しています。1号・2号ファンドにおいて、IPO2件(サスメド、QDレーザ)、M&A5件(レパトア・ジェネシス、Bolt Medical等)のイグジット実績があります。

BNV3号ファンドの概要

●コンセプト:革新的なサイエンス/テクノロジーにより、地球規模の社会課題を解決する
●ファンドサイズ:最大200~250億円
●投資社数:20~25社程度を想定
●1社への最大累積投資額:20億円
●運用期間:最大14年(11年 + 3年の延長)
●リード/フォロワー:原則リード
●投資ステージ:シードからグロースフェーズまで継続的な投資を実行
●主な投資対象分野:医療・ヘルスケア、創薬・バイオ、アグリ・フード、デジタル・宇宙、クライメートテック

対談記事公開 ~ 共同代表 伊藤×植波 ~


当社3号ファンドの設立ならびに共同代表への変更の背後にある、経営者の想いや将来に対する展望をより具体的に皆様にお伝えするために、伊藤と植波の対談記事を公開いたします。本対談では、当社3号ファンドが目指すもの、なぜ今経営体制を強化するのか、そしてBeyond Next Venturesがディープテックにかける情熱、これからの展望について詳しくお話ししています。私たちの想いやビジョンをぜひ本記事を通じてご理解いただけたら幸いです。

3号ファンド設立特別企画 ~共同代表 伊藤×植波 対談~
「研究者・起業家と共に、ディープテックで未来を切り拓く」
記事全文はこちら

Beyond Next Ventures について

世界に通用するサイエンス/テクノロジーにより、地球規模の社会課題を解決することを目指し、研究者や起業家と共に、革新的なディープテックの社会実装に挑む独立系ベンチャーキャピタルです。リード投資家としてシード期のディープテック・スタートアップへの支援を得意とし、研究成果の実用化を加速するインキュベーション活動、経営チームの組成ならびに経営人材の育成、都心シェア型ウェットラボの運営など、VCの枠を超えてディープテック・エコシステムの構築に取り組んでいます。

本社 東京都中央区日本橋本町3-7-2 MFPR日本橋本町ビル3階
代表者 代表取締役 伊藤 毅
設立 2014年8月
事業内容 日本・インドの技術系スタートアップへの出資および成長支援、研究シーズの事業化支援、経営人材の育成・経営チームの組成支援、、都心シェア型ウェットラボの運営など
URL https://beyondnextventures.com/jp/