Yaqumo社へ新規出資ー中性原子方式量子コンピュータの実用化を目指す

2025.08.22

Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:伊藤毅、以下「Beyond Next Ventures」)は、このたび株式会社Yaqumo(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:中小司 和広、以下「Yaqumo社」)にシードラウンドにて出資いたしました。Yaqumo社の同ラウンドにおける資金調達額は、合計7億円に達します。

加えてYaqumo社は、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募する数十億円規模の大型補助金事業である「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」に採択されました。

NEDOにおける助成金事業は、日本政府が量子コンピュータの産業化に向けた基盤技術の確立を目的に中長期的に推進する戦略的な取り組みの一環として行っており、本採択は同社の技術と将来性に対して、国の大きな期待と支援が寄せられていることを示すものでもあります。

Yaqumo社について

Yaqumo社は、京都大学高橋研究室および分子科学研究所大森研究室の研究成果を基盤に設立されたスタートアップ企業です。中性原子方式の量子コンピュータ開発に注力しており、他の方式に比べ量子ビット数の拡大や柔軟なアーキテクチャ設計が見込めるという特徴を持ちます。特に高度な原子制御技術を用いることにより、これまで課題とされてきた誤り訂正や計算速度の問題解決を目指しています。2027年度中にイッテルビウム原子を用いた誤り耐性量子コンピュータ(FTQC機)のプロトタイプ機を開発する計画です。

同社Webサイト:https://yaqumo.com/

投資の背景

量子コンピュータは産業革新を促す次世代技術として期待されており、その中でも中性原子方式はスケーラビリティの高さから将来性が注目されています。Yaqumo社の先進的な技術と京都大学・分子科学研究所との強力な連携体制を高く評価し、同社の成長と量子産業の創出を支援するため今回の出資を決定しました。

より詳細な投資理由に関する記事は下記URLよりご覧ください。
https://beyondnextventures.com/jp/insight/yaqumo/

担当キャピタリストよりコメント

伊藤 毅(CEO / Managing Partner)、蔭山 裕行
中性原子方式はここ数年間で量子コンピュータ実現の最有力候補として急浮上した注目の技術方式です。一方で、役に立つ”計算機”として完成させるための研究開発はまだまだ競争の途上であり、日本がサイエンスで世界に勝てる領域だと考えています。弊社は創業チームと起業前からご一緒し、「日本に世界をリードする量子産業を築く」という目標を共にしてきました。国内のトップランナーが集結する夢に見たチーム体制で、これからの偉大な挑戦を共にできることを心から嬉しく思っています。当社が真に使える量子コンピュータを実現し世界を変えるその日まで、Beyond Next Venturesは全力を尽くして支援して参ります。

Beyond Next Venturesについて

Beyond Next Venturesは、ディープテック分野のシードおよびアーリー段階への投資に特化したベンチャーキャピタルです。ヘルスケア、創薬・バイオテクノロジー、アグリテック・フードテック、デジタル、宇宙、クライメートテックなど幅広い領域で、グローバルな社会課題の解決を目指す革新的なスタートアップを支援しています。各専門分野に豊富な経験を持つメンバーを擁し、会社設立やシード段階から積極的な投資を行い、IPOやM&Aによる多くの成功実績を築いています。また、資金提供にとどまらず、研究成果の事業化を目指す研究者の創業支援や経営人材の育成、シェア型ウェットラボの提供など、商業化を促進するエコシステムの構築にも力を入れています。

本社 東京都中央区日本橋本町3-7-2 MFPR日本橋本町ビル3階
代表者 代表取締役社長 伊藤 毅、代表取締役 植波 剣吾
設立 2014年8月
事業内容 日本・インドのディープテックスタートアップへの出資・成長支援、技術シーズの事業化支援、経営人材の育成・経営チームの組成支援、シェア型ウェットラボの運営など
URL https://beyondnextventures.com/jp/