Kanjin Therapeuticsへ新規出資-肝臓と腎臓の臓器間連関に着目し、腎疾患治療薬の開発に挑む
2026.07.31
Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 / 代表パートナー:伊藤 毅、以下「当社」)は、このたびKanjin Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Caleb B. Bell III、以下「Kanjin Therapeutics」)に新規出資いたしました。
Kanjin Therapeuticsについて
Kanjin Therapeuticsは、岡山大学の中山雅敬教授らの研究成果を基盤とし、腎臓病を治癒可能な疾患へと変えることを目指す創薬スタートアップです。人工透析を不要にし、腎機能の回復につながる新たな治療によって、腎臓病患者の負担を減らすことに取り組んでいます。日本発の卓越したサイエンスを、日米の拠点をベースにグローバル市場へ直接届ける、クロスボーダーなビジネスモデルを実践している企業です。
同社の特徴は、肝臓と腎臓をつなぐ新規のシグナル伝達経路を標的とし、ポドサイトの機能を制御することで、糸球体および腎機能の回復を目指す点にあります。巣状分節性糸球体硬化症(以下、「FSGS」)や糖尿病性腎症といった、いまだ根本的な治療法がない腎疾患に対し、病態の進行を抑えるだけでなく、腎機能の維持・改善につながる新たな治療の確立を目指します。
治療薬の候補には、遺伝情報に働きかける核酸医薬と呼ばれる手法を用います。これまでの非臨床試験では腎機能の改善を示唆するデータを得られており、今後は日米にまたがる強力なネットワークを最大限に活かし、世界市場を見据えた研究開発および臨床応用をさらに推進してまいります。
Kanjin Therapeutics Webサイト:https://www.kanjin-tx.com/
投資の背景
慢性腎臓病をはじめとする腎疾患は、世界的に患者数が多く、進行すると人工透析や腎移植が必要となる場合もある重大な疾患領域です。特に、FSGSや糖尿病性腎症は、既存治療のみでは十分な治療効果が得られないケースもあり、疾患の進行抑制だけでなく、腎機能の維持・改善につながる新たな治療法の開発が求められています。
Kanjin Therapeuticsが取り組む創薬アプローチは腎臓単体ではなく、肝臓と腎臓の相互作用に着目している点が大きな特徴です。既存の腎疾患治療とは異なる新規性を有しており、腎疾患領域における治療選択肢を広げる可能性を秘めています。
当社は、岡山大学発の研究成果を基盤とするサイエンスの独自性、腎疾患領域における大きなアンメットメディカルニーズ、そして米国と日本を拠点にグローバルな創薬開発を目指すチームの可能性を評価し、今回の出資を決定いたしました。今後も、Kanjin Therapeuticsの研究開発および事業成長に向けて、ともに取り組んでまいります。
担当者コメント
澤邉 岳彦(MBA / ディレクター)/ 矢藤 慶悟(Ph.D. / プリンシパル)
創業前から支援してきた岡山大学・中山教授のシーズを開発するKanjin Therapeuticsに投資できたことを嬉しく思います。Kanjin Therapeuticsの開発する核酸医薬は、非臨床ステージながら、in vivo試験における有効性と、臨床データと標的の関連性は顕著で印象的なものであり、透析か腎移植に進行する可能性のあるポドサイトパチーの治療に変革をもたらすポテンシャルがあると考えています。
「世界直行型」のクロスボーダーモデルによる開発でKanjin Therapeuticsの開発品の持つポテンシャルを最大化するとともに、日本の大学発シーズのロールモデルの一つとなるよう支援を継続していきます。
Beyond Next Ventures株式会社について
Beyond Next Venturesは、地球規模の社会課題の解決に挑む研究者・起業家とともに、研究成果を社会の価値へとつなぎ、その価値が次の研究と挑戦を生む好循環の創出を目指します。ディープテックスタートアップへの投資に特化した480億円のファンドを運用し、独自のカンパニークリエーション機能、数百名以上の経営人材マッチング、ディープテックに関わる国内外のキーパーソンが集う「TECHNIUM Global Conference」の実施などを通じて、資金・人材・ノウハウを結集し、産学官一体となって研究成果の社会実装を支えるエコシステムの構築を推進します。
| 本社 | 東京都中央区日本橋本町3-7-2 日本橋本町昭和通りビル3階 |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 / 代表パートナー 伊藤 毅 代表取締役 / ジェネラルパートナー 植波 剣吾 |
| 設立 | 2014年8月 |
| 事業内容 | ディープテックスタートアップへの出資・成長支援 大学や研究機関等が有する技術シーズの事業化支援 経営チーム組成支援・経営人材の育成 オープンイノベーション支援 研究環境の整備・研究者のキャリア支援 |
| URL | https://beyondnextventures.com/jp/ |