ARKへ新規出資-陸上養殖の小規模・分散型モデルを実現するモジュール型RASを展開
2026.09.17
Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 / 代表パートナー:伊藤 毅、以下「当社」)は、このたび株式会社ARK(本社:神奈川県平塚市、代表取締役CEOグループ代表:栗原 洋介、以下「ARK」)のシリーズAラウンドに、リード投資家として参画しました。
ARKについて
ARKは、モジュール型閉鎖循環式陸上養殖システム(RAS:Recirculating Aquaculture System)の設計・開発・製造を中核に、関連サービスの提供から水産物の生産・販売まで手掛けるスタートアップです。「海を休ませるために、陸に小さな海をつくる。」というミッションを掲げ、どこでもだれでも陸上養殖ができる仕組と文化の構築を目指しています。
主力製品の「ARK ZERO MATRIX」は、複数の水槽と、ろ過設備等を組み合わせるモジュール型の閉鎖循環式陸上養殖システムです。設置環境や生産規模に応じて必要な水槽数から導入でき、小規模な導入から、その後の設備拡張まで柔軟に対応できます。
また、遠隔管理アプリケーション「STARBOARD BY ARK」や、資材・種苗、飼育ノウハウなど、養殖事業を支えるサービスも展開しています。2025年には自社養殖事業を本格始動し、水産物の生産・販売にも取り組んでいます。
海外展開も進めており、2026年6月には、UAEおよびインドネシアにおける閉鎖循環式陸上養殖の実証事業が、経済産業省「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されました。
加えて、アジア地域の事業拠点として、マレーシアに「ARK ASIA PACIFIC SDN.BHD.」を設立し、海外での事業基盤の構築を進めています。
ARK Webサイト:https://www.ark.inc/
出資の背景
世界の水産物供給と各国の食料安全保障において養殖の重要性が高まる一方、陸上養殖は、初期投資の大きさに加え、水質・疾病管理、生育管理、エネルギーコストなど、技術・運用・採算の各面で事業化の難しさが残る領域です。また、魚の生育には長い時間を要するため、運転条件を検証し、再現性のある生産ノウハウを蓄積するにも時間がかかります。
こうした中で当社が注目したのが、大規模な設備投資を前提とせず、小さく始め、実績を積みながら段階的に生産規模を拡大していくARKのアプローチです。初期投資を抑えながら事業性を検証できることは、これまで陸上養殖への参入が難しかった企業や地域にも、新たな選択肢をもたらすと考えています。
実際に、ARKのシステムは水産事業者だけでなく、建設業や製造業などの異業種企業、大学へと導入主体が広がり始めています。さらに、ハタ類をはじめとする高単価魚種を対象とした小型・モジュール型の陸上養殖は、地域ごとに異なる魚種需要や環境条件への対応が求められる海外市場においても、事業展開の余地が大きいと考えています。
政策面からの後押しも強まっています。2026年7月に政府が策定した「日本成長戦略」では、17の戦略分野の一つにフードテックが位置づけられ、陸上養殖も主要な製品・技術の一つとして掲げられました。国内外で市場が立ち上がるこのタイミングで、ARKの取り組みを支援できることを心強く思っています。
この度の出資の背景について、陸上養殖の事業化を阻む構造的な課題、ARKの独自のアプローチ、導入実績や海外展開にみる事業性、そして現場・技術・経営を補完し合う創業チームについて、投資担当より詳しくまとめています。ぜひご覧ください。
なぜ今モジュール型の陸上養殖が必要なのか – ARKに出資した理由:
https://beyondnextventures.com/jp/insight/ark
担当者コメント
有馬 暁澄(執行役員 / パートナー)、安喜 理紗(シニアアソシエイト)
ARKと初めて出会ったのは約7年前。当時から、いつかこのチームと一緒に挑戦したいと思っていました。経営陣3人の情熱と個性、互いへの信頼に強く惹かれたからです。今回、素晴らしい株主の皆さまとともに、リードインベスターとして同じ船に乗れることを心からうれしく思います。
陸上養殖は、魚の成長に無数の条件が絡み、検証にも長い時間と先行投資を要する難しい領域です。ARKは装置をつくるだけでなく、自ら魚を育て、成功も失敗もデータとして積み重ねてきました。経営・技術・現場の専門性を持つ3人が一体となり、試行錯誤を続けてきたことこそ、ARKの強さだと感じています。
日本で磨かれたARKの技術によって育った魚が、世界中の食卓に並ぶ日を楽しみにしています。
Beyond Next Ventures株式会社について
Beyond Next Venturesは、地球規模の社会課題の解決に挑む研究者・起業家とともに、研究成果を社会の価値へとつなぎ、その価値が次の研究と挑戦を生む好循環の創出を目指します。ディープテックスタートアップへの投資に特化した480億円のファンドを運用し、独自のカンパニークリエーション機能、数百名以上の経営人材マッチング、ディープテックに関わる国内外のキーパーソンが集う「TECHNIUM Global Conference」の実施などを通じて、資金・人材・ノウハウを結集し、産学官一体となって研究成果の社会実装を支えるエコシステムの構築を推進します。
| 本社 | 東京都中央区日本橋本町3-7-2 日本橋本町昭和通りビル3階 |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 / 代表パートナー 伊藤 毅 代表取締役 / ジェネラルパートナー 植波 剣吾 |
| 設立 | 2014年8月 |
| 事業内容 | ディープテックスタートアップへの出資・成長支援 大学や研究機関等が有する技術シーズの事業化支援 経営チーム組成支援・経営人材の育成 オープンイノベーション支援 研究環境の整備・研究者のキャリア支援 |
| URL | https://beyondnextventures.com/jp/ |