Beyond Next Ventures10周年記念イベントを開催しました

2024.08.11

2024年8月8日(木)、Beyond Next Ventures株式会社は日本科学未来館にて設立10周年を記念するイベントを開催しました。弊社ファンドのご出資者、出資先スタートアップ、大学の皆様をはじめ、多くのご関係者やそのご家族の皆様を含め、約500名の方々にご来場いただき、盛大に執り行うことができましたこと、心より感謝申し上げます。

会場となった日本科学未来館

これまでの10年と、これからの10年

代表取締役社長 伊藤毅

オープニングは、代表取締役社長/マネージングパートナー 伊藤毅の挨拶で始まりました。

「どうすれば、日本の研究成果を社会実装できるのか。どうすれば、日本の素晴らしい研究者や研究シーズを世界の変革に結びつけられるのか」

そんな伊藤の想いから始まったBeyond Next Venturesを創業間もない時からリスクを取って支えてくださった投資家、事業会社、金融機関の皆様に感謝の気持ちを述べ、そして、その「頂いた多くの応援」をこの10年でどのように研究者や起業家の皆様に繋いできたのか、振り返りました。

累計480億円のファンドを運用し、多くの有望なディープテックスタートアップをシード期から支援してきたこと、また、数多くの研究者の創業や経営者の輩出を実現してきたことなどをお伝えしました。

さらに、この先の10年で成し遂げたい5つのことについても共有しました。

1. 博士の社会認識を変える

日本における研究者の減少という社会課題に対して、「博士号を取得すると良いキャリア・良い報酬も得られる」という社会を実現していきます。そのために、研究者が社会で活躍する多様なキャリアを示し、またビジネスにも長けている研究者を社会に増やしたいと考えています。

2. 女性研究者の支援

日本の大学では女性研究者の割合が2割にとどまっており、アカデミアから生まれる成功者が男性ばかりという状況は解決されるべき社会課題です。女性研究者の比率を上げるために、女性が働きやすい環境を整備する必要があります。まだ公にはできませんが、女性研究者を増やすための新たな取り組みも行っていきます。

3. ハイブリッド人材の支援

これまで私たちは研究者に対して経営人材をマッチングしてきました。しかしこれからは、研究者でありながら経営者としての資質を持つ、いわば大谷翔平のような二刀流の人材を増やす活動をしていきます。例えば、私たちの出資先であるサスメドの創業者・上野太郎氏のような「博士号を持ち、経営もできる人材」です。

4. グローバルな活動を強化

私たちが将来アジアを代表するディープテックVCとなるためには、日本国内にとどまらず、グローバルな成功を実現しなければなりません。そこで最も注目している国は「インド」です。日本の人口の約10倍を抱えるインドは、人々の所得が上がり、購買力がより高まることが予想されます。また、日本の投資先が海外進出を考える際にも、インドは非常に有望な市場と言えます。

5. 世界に誇れる産業を育成するエコシステムビルダーに

現在の日本では、VCとスタートアップ、事業パートナー、政府間におけるエコシステム内の連携や、それぞれの資金、リソース、機能がまだまだ不十分な状況です。私たちは引き続き率先して日本からイノベーションが生まれやすい土壌を耕していきます。

Beyond Next Venturesの次の10年は、VCとしての枠を超えて、日本やアジアを拠点に、世界を舞台にした新たな未来を描く旅を歩んでいきます。これからも、多くの皆様と連携しながら、明るい日本の未来に貢献できたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

パネルディスカッション

5つのテーマに沿って素敵なゲストの方々と熱く語り合ったパネルディスカッション。このレポートでは3つのパネルを紹介します。

限界を、突破する。ディープテック起業家の挑戦

今まさにディープテック領域で大躍進を遂げる出資先スタートアップ起業家4名と共に、「この10年のディープテックスタートアップを取り巻く環境の変化」「起業家から見たVCへの期待」「これからの10年の展望」などについて議論しました。

【ゲスト登壇者一覧】
リージョナルフィッシュ株式会社 代表取締役社長 梅川 忠典様
アイリス株式会社 代表取締役社長 兼 医師 沖山 翔 様
株式会社CureApp 代表取締役社長 兼 医師 佐竹 晃太 様
エレファンテック株式会社 代表取締役社長 清水 信哉 様

世界をリードする経営人材の輩出に向けて

日本を代表する女性起業家、全国に先駆けて大学の発明を知的財産として民間企業に移転するビジネスを展開させた実業家と共に、「ディープテック領域を担う経営者像」等について議論を深めました。

【ゲスト登壇者一覧】
株式会社ウィズグループ 奥田 浩美 様
株式会社理研イノベーション 代表取締役社長 山本 貴史 様

急成長市場・インドの強さを知る

出資先のインドスタートアップ起業家2名と共に、インドの強さはどこにあるのか、インド発のテクノロジーはどう世界を変えていくのか、インド国内でのディープテックの進化などについて議論しました。

【ゲスト登壇者一覧】
Myelin Foundry CEO Ganesh Suryanarayanan
BigHaat India CEO Sateesh Nukala

10個のお祭り屋台

今回のイベントのコンセプトの一つが「祭り」だったこともあり、思い切って屋台を企画しました。フードやドリンクについては、出資先スタートアップの製品も活用し、品切れが続出するほど大人気となりました。

UMANI UNITED社の植物性卵を活用したお好み焼き
AlgaleX社の泡盛粕をアップサイクルしたうま藻パウダー(お好みで)
エシカル・スピリッツ社の酒粕をアップサイクルしたジン(かき氷にも活用)

また、お子様向けの縁日遊び(射的やわなげ、ヨーヨーすくいなど)も用意し、ご家族連れに大好評となりました。



出資先スタートアップ紹介パネル

私たちの素晴らしい出資先スタートアップの紹介パネルを展示しました。全ての出資先スタートアップが、大きな社会課題を解決するための事業を展開しています。

未来の絵

Beyond Next Venturesの未来への願いを込めたこの絵は、イギリス人アーティストのFreyja Deanさんに描いていただきました。宇宙の始まりであるビッグバンから、私たちがアイデアとテクノロジーで可能性の限界に挑む姿を表現しています。オフィスに現物が展示しておりますので、ご来社の際はぜひご覧ください!

最後に

弊社として初の試みとなった周年記念イベントでしたが、大盛況の中終えることができましたこと、改めて感謝申し上げます。この機会に、改めて支えていただいている方々への深い感謝と、今後に向けた決意を表明することができました。これからも人との繋がりや絆を大切にし、次の10年も力強く挑戦し続けます。

Beyond Next Ventures株式会社について

研究者や起業家と共に、革新的なサイエンス/テクノロジーの社会実装を通じて、地球規模の社会課題の解決を目指す独立系ベンチャーキャピタルです。リード投資家としてシード期のディープテックスタートアップへの支援を強みに、研究成果の実用化を加速するインキュベーション活動、経営チームの組成ならびに経営人材の育成、都心シェア型ウェットラボの運営など、VCの枠を超えてディープテック・エコシステムの構築に取り組んでいます。

本社 東京都中央区日本橋本町3-7-2 MFPR日本橋本町ビル3階
代表者 代表取締役社長 伊藤 毅、代表取締役 植波 剣吾
設立 2014年8月
事業内容 日本・インドのディープテックスタートアップへの出資・成長支援、研究シーズの事業化支援、経営人材の育成・経営チームの組成支援、シェア型ウェットラボの運営など
URL https://beyondnextventures.com/jp/