IZANAへ新規出資-超高感度磁気センシング技術を開発
2026.10.07
Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 / 代表パートナー:伊藤 毅、以下「当社」)は、このたび株式会社IZANA(本社:愛知県名古屋市中村区、代表取締役社長:大前 緩奈、以下「IZANA」)に新規出資を実行いたしました。
IZANAについて
IZANAは、名古屋大学における超高感度磁気センサ研究を背景に、どこでも使える超高感度磁気センシングシステムの開発・製造に取り組むスタートアップです。
磁気を読み取る技術は、羅針盤から地図アプリまで、人が直接見ることのできない情報を捉えてきました。しかし、より微小な磁気を高い感度で計測する装置には、大型の附属装置や高い消費電力、磁気シールド環境を必要とするものが多く、実社会で活用できる場面は限られてきました。
同社の特徴は、磁性体に交流電流を流した際に外部磁界によってインピーダンスが変化するGMI(Giant Magneto Impedance)効果を利用し、小型・軽量、低消費電力、ノイズ耐性を兼ね備えながら、高い感度を実現している点にあります。磁気シールドを必要とせず、電源まで全て含めて手のひらに載るサイズでpT(ピコテスラ)の超高感度を実現しており、これまで超高感度磁気計測の導入が難しかった過酷環境での利用を可能にします。
2026年9月には、防衛省より、技術調査(磁気探知・追尾システム運用検証)の契約をプライムで受注しました(契約金額:199,012,000円)。
IZANA Webサイト:https://izana-tech.com/
出資の背景
現在、航空機や船舶、ドローンをはじめとする多くの移動体は、位置情報の取得をGNSS(衛星測位システム)に大きく依存しています。一方、防衛・安全保障の領域では、電波妨害などによってGNSSが利用できない、あるいは信頼できない環境を想定した測位・航法技術の重要性が高まっています。
その有力な選択肢の一つが、地球の磁場を利用して現在位置を推定する「磁気ナビゲーション」です。衛星からの信号を必要としないため、GNSSに依存しない新たな測位・航法技術として研究開発が進んでいます。一方、その実現には、移動体に搭載された電子機器などから生じるノイズのなかで、微弱な磁気信号を高精度に捉える技術が求められます。
Beyond Next Venturesは、IZANAの超高感度磁気センシング技術が、磁気ナビゲーションをはじめ、防衛や海洋インフラなど幅広い領域の新たなセンシング基盤につながる可能性を感じています。この度の出資の背景として、磁気ナビゲーションの可能性、GMI効果を用いた技術、経営チームなどについて投資担当者による記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
磁気を捉え、GNSSに依存しないナビゲーションを拓く ― IZANAに出資した理由:
https://beyondnextventures.com/jp/insight/izana
担当者コメント
伊藤 毅(代表取締役社長 / 代表パートナー)、藤井 章子(アソシエイト)
磁気と言われても、なかなか実感が湧かないかもしれません。しかし、大航海時代を切り拓いたのは羅針盤という磁気センシング技術でした。人類はもともと、磁気を頼りに進む方向を決めてきました。
現代の屋外測位は、GNSS(GPSなどの衛星測位)に大きく依存していますが、電波の届かない水中や地下、屋内では使えなくなります。IZANAが開発する超高感度磁気センシング技術は、高い感度をもちながらも、小型・軽量、低消費電力、ノイズ耐性を兼ね備えており、こうしたGNSSが使えない環境でも、位置を正確に捉えることを可能にします。従来の磁気センサには難しかった領域です。
GNSSが機能しない場所での測位は、自律移動ロボットやインフラ点検といったものから防衛領域まで、まだまだ課題は多く、IZANAの超高感度磁気センシング技術は、様々な領域で必要とされる余地が非常に大きいと考えています。
CEOの大前さんは、磁気センサの技術を深く理解しているだけでなく、大きなビジョンを掲げ、仲間を巻き込みながら会社を前に進めていけるリーダーです。名古屋大学から生まれたこの技術が、世界の様々な現場で使われるものになるまで、Beyond Next VenturesはIZANAと共にその実現を目指してまいります。
Beyond Next Ventures株式会社について
Beyond Next Venturesは、地球規模の社会課題の解決に挑む研究者・起業家とともに、研究成果を社会の価値へとつなぎ、その価値が次の研究と挑戦を生む好循環の創出を目指します。ディープテックスタートアップへの投資に特化した480億円のファンドを運用し、独自のカンパニークリエーション機能、数百名以上の経営人材マッチング、ディープテックに関わる国内外のキーパーソンが集う「TECHNIUM Global Conference」の実施などを通じて、資金・人材・ノウハウを結集し、産学官一体となって研究成果の社会実装を支えるエコシステムの構築を推進します。
| 本社 | 東京都中央区日本橋本町3-7-2 日本橋本町昭和通りビル3階 |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 / 代表パートナー 伊藤 毅 代表取締役 / ジェネラルパートナー 植波 剣吾 |
| 設立 | 2014年8月 |
| 事業内容 | ディープテックスタートアップへの出資・成長支援 大学や研究機関等が有する技術シーズの事業化支援 経営チーム組成支援・経営人材の育成 オープンイノベーション支援 研究環境の整備・研究者のキャリア支援 |
| URL | https://beyondnextventures.com/jp/ |