研究開発型スタートアップへの経営参画事例:株式会社グリラス×一色 範彦氏

研究開発型スタートアップ(大学発ベンチャーやディープテック領域)を対象としたアクセラレーションプログラム「BRAVE」では、VCからの資金調達成功に向けた、短期間での急速な成長機会を提供しています。

BRAVEには、人材育成機能として「Innovation Leaders Program」(以下、ILP)という、参加チームと未来の経営者候補が共に事業を創る取り組みが実装されており、この出会いを通じて多くの創業者・経営参画者が生まれています。

今回は、2020年のBRAVEに採択された株式会社グリラスCEOの渡邉さんと、BRAVEでの出会いを通じて実際に同社へ転職された一色さんの対談をお届けします。

<インタビュー対象者>
渡邉 崇人 株式会社グリラス 代表取締役CEO
昆虫の発生・再生メカニズムが専門。コオロギの大規模生産、循環エコシステムの開発を行う。徳島大学大学院社会産業理工学研究部・助教

グリラスはどんな会社ですか?

1992年から徳島大学ではコオロギの研究は始まっていて、2019年5月に創業しました。無印良品が私たちと一緒につくった「コオロギせんべい」が市場に出たのが2020年5月です。

そこから2020年12月にBeyond Next Venturesを筆頭に資金調達を実施し、私たちがBRAVEに参加したのは、その製品発売と資金調達の間の時期になります。

我々は、「コオロギを生活インフラにしよう」をミッションとして掲げております。一つは、世界のタンパク質不足を解決する、ということ。
このタンパク質不足の解決に、SDGsに対応したサスティナブルなフードサイクルを構築していく。そして、生活の中でコオロギが当たり前になるという未来を描いています。

コオロギは昆虫なので、よく、“昆虫食”と言われるのですが、この昆虫食のイメージがよくなくて。日本では古いもの・田舎のもの、佃煮というイメージがくるのですが。そうではなくて、未来の食品としてのサーキュラーフードとして確立していきたいと思っています。

BRAVE参加で何が変わりました?

変わったのは、デザイン、ビジネスモデル、チームメンバー、資本金。その中で、我々として一番大事だったのはメンバーのところです。

一番最初に(参加前に)ピッチしたのが2020年の8月頃だったのですが、その時はファウンダーの3人に加えて1人しかいなかったんです。そこにILPの方3名と共にチームを組んで、2ヶ月間を走りきりました。

BRAVEの後は、ILPメンバーだった一色さんはしっかりマーケティング・ブランディングを、今は正式メンバーとして担当いただいてますし、ファイナンスなど新しいメンバーも増え、今のチーム体制を構築することができました。

BRAVEに参加した一番の意義は、(ILPとの)チームビルディングができる点だと思います。例えば、ファウンダーである僕は、研究開発やコオロギの理解については誰にも負けない自信はもっていますが、資金調達の専門家でもないし、マーケティングもセールスもできないわけですね。

しかし一人ではできないことが、チームを組めばできる。そこが最もチームを創る上で一番大事。だから、均質化したメンバーではなく、異質な人が入れば入るほど、このコラボレーションから生まれる力が大きいと思っています。

​一色 範彦 株式会社グリラス Branding & Marketing Director
大学を卒業後、10年余企業のブランド&マーケティング支援に従事。その後、デザインコンサルティング会社での大企業向け新規事業創出支援および自社の経営企画に携わる。2019年、2020年と2回「Innovation Leaders Program」(ILP)へ参加し、2020年にプログラムを通じてグリラスと出会い、その後正式参画。

ILPへの参加を決めた背景は?

私が長年オペレーションの領域をやってきました。100を101にする仕事です。その中で「自分は1を10にする、10を100にするビジネスデベロップメントのステージで戦ってみたい」と思ったことが、ILP参加のきっかけです。具体的に言えば、起業家の方とタッグを組み、転がり始めたアイディア・芽が出始めそうなシーズを、収益がでる事業に育て上げたいと思いました。

なぜグリラスに?

一つはビジョンです。先進国でつくった良質なタンパク質を最貧国に持っていくという、そのビジョンを共に実現したいと思いました。数年後にタンパク質クライシスが来ることは世界で言われていますし、テクノロジーを使って解決していくというソリューションが素晴らしいと思いました。

それから、人・チームですね。BRAVE参加の頃から変わらず、(代表の)渡邉さんをはじめ、非常に人がいい。非常にクリエイティブなチームになっていて楽しい。ここであれば命をかけてやっていけるんじゃないかと思ったのが、大きなポイントでした。

(本記事は、2021年6月12日に行われたBRAVE2021 キックオフイベントでのパネルディスカッションの一部を記事化したものです。)

最後に

BRAVEとILPは、社会を変えるスタートアップと将来の経営人材が共に急成長できる場を提供しています。

スタートアップが育ち、未来の起業家・経営人材が生まれる。研究領域における、新しい“人”のプラットフォームとして引き続き運営を行ってまいります。

創業を目指す研究チームの皆さま、経営者としてのキャリアにご興味をお持ちの個人の皆さまは、ぜひ以下よりお問い合わせいただけると幸いです。
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Shota Sagiyama

Shota Sagiyama

Executive Officer / Head of HR Support